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在庫希少・推薦盤!
東京を拠点に活動する“俺はこんなもんじゃない”のリーダー狩生健志の3年ぶりとなる2024年作。オルタナティブでレフトフィールドな感性で綴られるミニマムなポップソング集です。前作に続き工藤冬里やMamitri Yulith Empress Yonagunisan等でも知られるフランスのレーベル“Bruit Direct Disques”からのリリース。
音響を意識させるエクスペリメンタルなポップソングという印象に変化はありませんが、前作『Sekai』がエレクトロニックな要素をベースにしていたことに対して、今作は人力でも打ち込みでもない曖昧な人間/機械らしさを意識して制作された作品となります。“打ち込みの手法で捉え直した人間の演奏”というトロ・イ・モアにも通じるサウンド・ヴィジョンを用い、そこで生成された音響空間に抽象/幻想的な独自のポップスを浮かび上がらせることに成功。ロック、ポップス、ソウル、ボサノヴァ、フォーク、ジャズ、サイケデリック、ベットルームポップ等、様々な音楽的要素が入り組んでいながら、ジャンルを掛け合わせることで楽曲をダイナミックに拡張させるような手法はあえて避け、むしろ静的な音響感覚でミニマムにまとめ上げていくという特異で独創的なセンスが最大限に発揮されています。“ポップであること”への鋭い批評性に裏打ちされた音楽の姿を明確に提示した大傑作と呼べるでしょう。
それから、“ただの声”を歌声として機能させる独自の歌唱法はますます磨きがかかっています。“意味”と“音”の間を行き来しながら、異物感とも呼べるような圧倒的な存在感を放つ声が、ソフト・サイケデリックな音響体でもある楽曲を完成させるラストピースのような役割を果たしています。声を音響として扱いながらも、音響に縛られない歌としての魅力が引き出されていく。ここには意志を超えたところに存在する音楽の魔法のようなモノが宿っているのかもしれません。(略)
この作品はオルタナティブでレフトフィールドな感性で綴られるミニマムなポップソング集です。そして同時に、多面的な錯綜を抱え込んだ現代社会に呼応した1つの音楽のあり方として、確かなリアリティを感じさせてくれる希有な作品でもあります。
Text by 清水久靖 (Record Shop Reconquista)
- リリースインフォより一部抜粋 -
作品タイトル:雨/水 (Rain / Water)
アーティスト名:Kenji Kariu
フォーマット:LP
発売日:2024年6月14日
レーベル:bruit direct disques
商品コード:BR-D52
収録曲
A1.夢で会いました / I saw you in a dream
A2.水 / Water
A3.舟 / Boat
A4.それから光が / And Then There was Light...
A5.お菓子の夢 / Sweets Dream
A6.とおりすぎる / Going Through
B1.花の名前 / Flower Name
B2.コンビニへ / Convenience Store
B3.砂 / Sand
B4.泡 / Bubbles
B5.蜘蛛 / Spider
B6.傘 / Umbrella
アーティストプロフィール
Kenji Kariu(狩生健志)
1979年福岡生まれ、東京西在住バンド、俺はこんなもんじゃない(OWKMJ)で、1stアルバム『epitonic』(2003)発表後、5thアルバム『LAMINA』(2019)まで、これまでに5枚のアルバムをリリースしている。ソロでも活動し、2009年、1st album『KK』、2011年、2nd album『KK2』を発表する。長編映画『ひかりのたび』(2017)『サンパギータ』(2024)など、多数の映画・映像音楽に関わる。
2021年、3rdアルバムとなるLP『Sekai』、2024年『雨 / 水』をBruit Direct Disques(フランス)より発表。
さりげない歌唱と優れたソングライティングによる名曲が多数収録されている。
Official Website:http://kkariu.html.xdomain.jp/
X:https://twitter.com/kkariu71569
SoundCloud:https://soundcloud.com/kariu